癒しの画像|癒される言葉


Q:   私は、今、苦しんでいるみんなに「絶対に死んじゃいけない!」と叫びたい気持ちです。

A: その通りだ。 苦しいときは、「この闇が永遠に続く」ような気がするものです。しかし、そうじゃない。 「冬」は、いつか必ず「春」になります。永遠に続く「冬」はないんです。   永遠に続く「夜」はないんです。永遠に降り続く「雨」もないんです。   いつか、絶対に、晴れ晴れと、「あんな時代もあったね」「あのときは苦しかったね」と、笑顔で話せる日が来ます。必ず来ます。だから、生きて、生きて、生き抜いてもらいたい。そのために、私が応援します! みんなが応援します。お父さんも、お母さんも味方です。みんなの味方です。だれよりも苦しんだ君は、だれよりも人の心がわかる君なんです。だれよりもつらい思いをしたあなたは、だれよりも人の優しさに敏感なあなたのはずです。そういう人こそが、二十一世紀に必要なんです!そういう人が活躍してくれるのを、世界中の人が待ちに待っているんです。今の社会は、「人の心がわからない」指導者が多いから、不幸なんです。だから、みんなのほうが勝たなければいけない!みんなこそが人材なんだから!「悪」に負けてはいけない!応援するから!ひとりで悩まないで!そして、今まで、だれかをいじめてきた人は、きょうから、ただちに、やめてもらいたい。そして、いじめられている友達がいる人 は、そっとでもいいから、「自分は味方だ」ということを伝えてあげてほしいのです。その「ひとこと」が、小さな「メモ」が、大きな「支え」になることもあるのです。

Q: 本当にそう思います。じつは当時、私も、「いじめられている」ことが恥ずかしくて、親にも、だれにも言えませんでした。帰宅したら、親に顔を見られないようにして、後は、じっとパソコンに向かっていました。女子にも、「親に心配かけたくないないから、言えない」という子は多いんです。私の母の場合、近所の奥さんから、「カバンを十個くらい持たされていた」と聞いて、いじめを知りました。その日、帰宅すると、母が、すごい顔で、私の前に立って、「いじめっこの家に、どなりこむ!」と叫んだんです。   私は「そんなこと、やめてくれ」と必死に止めました。「仕返し」がこわかったんです。でも、そのときの母の顔は真剣でした。心配してくれている。守ろうとしてくれている。それが、すごく伝わってきたんです。

A: それが親だよ。当然です。怒るのが当たり前です。動物だって、自分の子が危ないとなったら、牙をむき出しにして、毛を逆立てて、戦う姿勢をとる。自分よりも何倍も大きい相手にだって、猛然とかみついていく。それが親です。もちろん、感情的になれということではない。感情的になっても、解決するわけではない。

Q: はい。なかには、逆上のあまり、事実をよく確認せず、自分の子どもの言い分だけを聞いて、だれだれが悪いと決めつけ、人の言うことには、一切、耳を貸さないという親もいるようです。

A: ともかく、まず冷静に「事実」を確認することが大事だ。第一、いじめっ子を「やっつける」 ことが目的ではない。「いじめをやめさせる」ことが目的なんだから。

Q: 子どもの話をしんぼう強く聞いてあげて、何があったのか、できることなら、全部、話してもらうことだと思います。だれに、いつごろ、どこで、どんなことをされたのか。そこを、はっきりさせ、紙に書いて、まず学校の先生に、いじめの事実を認めてもらうことも大事です。 相手の親には、できれば、学校の先生から、まず話してもらうほうがいいかもしれません。親 同士だと、感情的になってしまうことが多いようです。子どもが「仕返し」されないように、 よく話し合う必要もあります。

A: ともかく、今、いじめている子だって、何かのきっかけで、びっくりするくらい「変わる」。 「優しい心」は、だれの中にもあるのだから。だからこそ親は、自分の子どもが「いじめを している」ことに対して、真剣に対処してほしいのです。成績には、あれほど敏感なのに、 人格を育てることには、あまりにも無関心な気がしてならない。

Q: じつは、あるお母さんは、自分の子どもが「いじめっ子」だったときは、相手のお母さんから 「何とかしてほしい」と言われても、口では「すみません」とあやまりながら、心の中で「そんなに大さわぎしないでいいじゃないか。過保護じゃないか」とか思っていたそうです。ところが、自分の子どもが今度は「いじめられる」ようになって、あわててしまったんです。「もう学校に行きたくない」と泣く子を前に、我が身を切られるような思いがする。そのことを話しても、相手の親も、先生も、前の自分と同じで、本気では相手にしてくれない。つくづく   自分の身勝手さがわかったそうです。いじめられる身になってみないと、わからないんです。

A: もちろん、「いじめる子」にも、それなりの言い分があるでしょう。「いじめ」という行為で発散しなければおさまらない「いらいら」とか「さびしさ」もあるのかもしれない。しかし、 どんな理由があろうとも、人を傷つけてはいけない。大人も「してはいけないことは、どんなことがあっても、してはいけない」と、はっきり教えなければいけない。ここを「あいまい」にして、加害者も「どっちも、どっち」くらいに思っているかぎり、いじめはなくならない。   日本の風土には、善悪をあいまいにする悪いくせがある。正義の人が悪人と戦っているときでさえ、けんか両成敗─「『けんか』になるのは、どっちにも原因がある」などと言ってすましてしまう。

Q: そう思います。前回DI先生が「いじめる側が百パーセント悪い」と語ってくださったことに、多くの共感の声が寄せられました。ある婦人は、「自分は子どものころ、いじめにあって、絶対に自分の子どもには同じ思いをさせたくないと願ってきました。でも、 実際には、子どももいじめにあい、学校にも相談に行ったんですが、あまり取り合ってもらえなかったんです。いじめている子の家にも行きました。ところが『あなたの言っていることのほうが、いじめだ』と言われ、反対に悪者あつかいされてしまったんです。これから、この励ましを抱きしめて頑張ります」と、涙ながらに語っておられました。いじめている側には、親も含めて、本当に罪の意識が薄いんです。抗議されて、しびしぶ、あやまったとしても、本当に形式的で「しかたなく」という感じなんです。だから、かえって被害者のほうが、さらに「いじめられる」場合が出てくるんです。ひどい例になると、いじめられている子を励ましてあげていた子が、いじめている子の親から「あんた、私の子どもに何か文句があるの。何か、悪口言っているそうじゃない」と逆に「加害者」にされてしまった─そんなケースもあるようです。自殺してしまった子どもの親ごさんも、陰で「自殺するような子は、弱いからいけないんだ」とか「親の育て方が、おかしかったんじゃないか」とか、「子どもが、そんなに追い詰められているのに、気づかない親も親だ」とか、追い打ちをかけるようなことを言われた人もいるようです。学校からも「面 倒な事件を起こされて迷惑だ」と言わんばかりの仕打ちにあった親ごさんもいると伝えられています。さすがに、学校側も口では、そんなこと言わないでしょうが………。

A: いじめられている子に対して「負けるな」と呼びかけるのは大事です。しかし、そうやって、 その子の要求するだけなら、あまりにも一方的だ。いじめている側にこそ、その何倍も呼びかけるべきでしょう。「すぐに、やめなさい!」と。もちろん、いじめをさせないよう、悩み、心をくだいている親ごさんも、先生も多い。ある青年は、こんな思い出があるそうだ。幼稚園のころ、道で障害者を見た。なにげなく、まねをして足を引きずって歩いてみた。その瞬間、一緒にいたお父さんに「体が吹っ飛ぶくらい、どつかれた」そうだ。

Q: 偉いお父さんですね!そうやって、「してはいけないこと」を教えたんですね。

A: また、ある女性は、小学生のとき、けんかした友達に「◯◯ちゃんなんか、死んじゃえ!」と   言ってしまった。それを知ったお母さんは真っ赤になって怒って、彼女の手を引いて、相手のうちに行き、いっしょに土下座せんばかりに、あやまったという。彼女は「あの日の母の剣幕は、本当にこわかった」と言っています。

Q: すごいお母さんですね。

A: なかなかできないことです。

Q: 今は、簡単に「死ね」とか言いますから。

A: 言われたほうが、どんな思いをするか。しかも、みんなにそう言われたときには。いわんや、今までは友達と思っていた人から、冷たい言葉を投げつけられたら。ともかく、「いじめという暴力に甘い」体質が大人にあるかぎり、だめだ。「いじめる側だから、安心」などという考え方を、根っこから変えなければ、変わりません。いじめは「いじめる側」の心を徹底的に破壊してしまうのです。それを教えていかねばならない。
「いじめ」の資料の中に、こんな中学生の声があった。この通りだと思う。本当に正しい。これを、すべての人に伝えたい気持ちです。「人をいじめるための悪口。それは自分   も傷つけています。友達の悪口を言うのはどこ?君の口だよ……。悪口を一番近くで聞いてる   のはどこ?君の耳だよ……。じゃあ一番傷ついてる人は?君の大切な人だよ……。もう……いじめ やめようよ」

DI